印刷情報用紙 事業者からのご意見

【背景】

2014年1月29日、GPNでは、グリーン購入ネットワーク事務局宛の「APP社の紙製品の「エコ商品ねっと」掲載停止についての要請書」を受領しました。

[要請内容の概要]

APP社が示している情報からは、APP社の紙原料供給地において、土地紛争などの重大な社会的紛争がないことを示す文書は確認できず、商品掲載に必要な情報提供が行われていないため、「エコ商品ねっと」へのAPP社の紙製品の掲載停止を要請する。

[GPNの検討結果]

要請に関する具体的な事例は、紙原料の原産地における重大な社会的な紛争の存在及び紛争解決プロセスの実施についてです。 APP社に情報提供を求めたところ、APP社にパルプ原料を供給している22社(2013年9月時点)は、LEI森林認証制度の他、PHPLやVLKといった認証制度のいずれかを取得していること、LEI及びPHPL、VLKの各認証の指標には、社会的紛争に関する項目が含まれており、こうした指標の審査を受け、認証を取得していることが確認されました。 印刷情報用紙購入ガイドラインでは、森林認証制度間の優劣について評価せず、一律で扱うこととしているため、APP社の掲載製品は購入ガイドラインの掲載条件を満たしていると判断しました。 一方で、森林認証を受けていていても重大な社会的紛争がある場合の判断や、重大な社会的紛争があると事業者が認識してから、購入ガイドラインで求めている除外規定(紛争当事者の地域住民や行政、NGO等の関係者が紛争解決プロセスに合意し、そのプロセスが公正に実施されていることを、独立した認証機関等の第三者が十分な根拠のもとに確認した場合は、重大な紛争の対象外とします)に至るまでの猶予期間の扱い等、購入ガイドラインの運用面で課題があることを認識致しました。よって、GPNでは、それらの課題を解決するために、「印刷・情報用紙」購入ガイドラインの内容を見直すことにいたします。

【事業者の意見】

APPは2013年2月に森林保護方針(FCP)を立ち上げ、APPのサプライチェーン全域での自然林の伐採を即時、恒久的に停止するという画期的な発表を行いました。このFCPの主な内容は以下の通りです。 ・自然林伐採ゼロ方針 ・独立した第三者機関による森林評価(HCV/HCS)の実施 ・泥炭地の保全によるカーボン発生の抑制 ・社会問題への適切な対応 現在、エイピーピー・ジャパン株式会社がGPNのエコ商品ねっとに掲載している商品は、FCPの方針を受け入れた原料供給会社の植林地から供給される植林木により生産されています。また、これらの供給会社の植林地は、LEI、PHPL、VLKのいずれかの第三者認証を受けています。 重大な社会的紛争の問題については、APPはFCPで定められた共同紛争管理法(CCM)のガイドラインを採用し、紛争解決に向けて積極的に対処しています。APPはパートナーであるTFT(環境支援団体)の社会問題専門家と共に、紛争解決プロセスに取り組んでおり、GPNガイドラインで規定された重大な社会的紛争がある地域からの調達は行っておりません。 また、前述のLEI、PHPL、VLKの各認証の指標には社会的紛争に関する項目が含まれており、こうした指標の審査を受け、認証を取得しています。 直近のニュースとしては、APPは2014年4月、100万ヘクタールの森林保護・再生計画を発表しました。この計画は、NGOを含む多くのステークホルダーの皆様と共に、インドネシアの重要な森林景観の保全に取り組む重要なプロジェクトであり、年内中に活動開始の見込みです。 APPグループの環境への取り組みについては、下記URLをご覧ください。