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2010年度の受賞概要

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第12回グリーン購入大賞 受賞団体の取組と評価ポイント

環境大臣賞

たじま農業協同組合

コウノトリ育むお米作りの取組みについて

野生で絶滅したコウノトリをもう一度空に帰すという目的のためには、失われた生態系を取り戻す必要がありました。農薬を極力使用せず化学肥料を使用しない栽培方法を用い、圃場整備で失われた生態系を取り戻すため、水管理にも独自の基準を設け、2003年より地域環境や生物多様性保全のためのお米作りをはじめました。豊岡市、兵庫県、JA、生産者組織からなる「コウノトリ育むお米生産部会」が一体となって取組みを進め、現在では生産者が217人、取組面積は240haまで拡大しています。結果として2005年に試験放鳥された5羽のコウノトリが、その後自然界での繁殖も成功して40羽を超えるまでになっています。
環境・生物多様性保全への取組みが付加価値を生み、地域の環境がよりよくなるという環境と経済の両立ができているため、持続性を持った活動ができています。

評価ポイント
今年はCOP10「生物多様性条約第10回締約国会議」開催年であり、生物多様性の保全とグリーン購入がしっかりと継続されている点が特に評価された。生産されたお米は全量買取りを行い、付加価値をつけて販売することで、取組みの持続性が維持されている。また、具体的な指標種が設定されることで生物多様性保全の実績を測定可能にし、わかりやすい形で消費者へ理解されている点や、自治体や生産者・販売者が一体となって取組みを行い、実績を上げている点についても高く評価された。

経済産業大臣賞

TOTO株式会社

環境浄化技術「ハイドロテクト」を応用した製品開発及び普及促進による地球環境への貢献

ハイドロテクトとはTOTO独自の光触媒技術です。ハイドロテクトを応用した塗料やタイルなどの表面に太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線があたると、空気中の酸素と水が反応して活性酸素が発生します。その活性酸素が汚れ(有機物)を分解し、汚染ガスであるNOxを酸化して浄化することができます。また、ハイドロテクト応用商品に紫外線があたると、水になじみやすくなります。これらの特徴を利用し、TOTOでは空気浄化、防汚(セルフクリーニング)、抗菌、抗かび、防藻、防臭などの効果を発揮する製品を開発しています。2009年3月現在、全世界でのハイドロテクト商品の環境貢献(空気浄化効果)は緑地に換算すると、緑地 1.3億㎡(東京ドーム 約2,800個分)相当となります。  
ハイドロテクトは自然の力(太陽の光と雨)で外壁周辺のNOxを除去し空気浄化することができるため、製造や使用を含むライフサイクル全体では環境影響がマイナス(=環境貢献)となり、建築用塗料として非常に稀な特長を持った製品となっています。

評価ポイント
使うことで環境負荷を減らすことができる稀な環境配慮製品である。近年、エコポイントでも注目されている建築分野での取組みであり、グリーン購入の普及拡大の観点から塗料やタイル等への活用によりさらなる取組み分野の広がりが期待できる。日本のみならず海外にも展開され、実績をあげていることも高く評価された。

大賞

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

お客さまの環境配慮活動を支援する新たな情報発信

「つくる、つかう、いかす」の製品サイクル全体を見据えて環境負荷低減への取組みを行っていますが、これまでは製造・回収リサイクルに関するものが中心であり、環境負荷の最も高い「つかう」については個別の対応となっていました。この3つを統合し、「つかう」に関する情報を強化し、お客様の環境配慮行動を支援するためのあらたな情報発信の仕組みを構築しました。  
グリーン購入や環境にやさしい使い方を提案するサイト 「GREEN NAVI」では、使い方の工夫によるCO2削減効果を実感したり、カートリッジを回収した場合のCO2削減効果がわかるようになっています。また、機種毎の環境配慮情報を一覧できるデータシート「GREEN PROFILE」では、環境に配慮された(ISO14001認証取得)事業所で製造された製品かどうかや、製品中に含まれる化学物質などをご確認頂けます。

評価ポイント
使用条件に応じたCO2削減効果を算出することができ、購入者がより強く効果を実感することができるしくみである。ウェブサイトを通じて顧客がグリーン購入の効果を把握するための有力な判断材料を提供している。2009年から本サイトをオープンしており、継続したユーザーからのアクセス実績が確認できている。オフィス編に続き、ホーム編、ITソリューション編、海外販社による現地語翻訳版が今後展開される予定であり、グリーン購入の普及拡大に大きく貢献することが期待できる。

池内タオル株式会社

環境配慮型商品の販売

池内タオルが「風で織るタオル」と呼ばれるのは風力発電で工場が稼働しているからです。グリーン電力証書システムにより2002年より自社の使用電力の100%を風力発電でまかなっています。風で織るタオルはバスタオル1枚で約473gの二酸化炭素を削減しています。  
使用しているオーガニックコットンはbio inspecta(スイス)、Control Union(オランダ)で認定されたものです。大量の農薬・消毒薬・枯葉剤などは使用していない畑で生産され、紡績工場までも認証されたピュアなオーガニックコットンです。

評価ポイント
自社電力をすべて風力発電でまかなう日本初の企業。オーガニックコットンの安全性も外部検証機関・エコテックスでテストをうけて最も厳しい基準(class1:乳幼児が口に含んでも安全)をクリアしている。取組み実績も十分である点が評価された。

富士通株式会社

富士通グループ購買部門における生物多様性保全の取り組み

富士通グループ会社で、グリーン調達基準の改訂を行い、グリーン調達要件のひとつに「生物多様性保全の取り組み」を追加しました。取引先にむけて説明会を実施し、すでに運用を開始しています。また、取引先のグリーン調達への取り組み度合いを三段階で評価し、具体的な目標値を設けて進み具合をチェックすることとしています。
生物多様性保全については、まだ社会的認知度が低いため、「何をしたらいいか」「どういう手順ですすめたらいいか」などの情報を外部向けガイドラインとして作成し、提供しています。このガイドラインにより取引先での具体的行動を促しています。

評価ポイント
外部向けのわかりやすい生物多様性ガイドラインを作成されたことや、生物多様性保全の項目を取引先とも共有し取り組みを促している先進性、具体的目標値をもって、大規模に展開されている点が評価された。

優秀賞

日本電気株式会社

NEC田んぼ作りPj with アサザ基金

茨城県霞ヶ浦・北浦付近の耕作放棄地の谷津田を再生した場所での稲作、収穫米を原料にした日本酒造りという年間を通じた活動を実施して、従業員を対象とした「環境人材」育成を行っています。この活動では、2010年度までに全従業員を『エコ・エクセレンス(環境に関する知識も有し、日常的に環境に配慮した行動が取れる意識の高い人材)』にする」という目標をかかげ、2003年度は24.2%だったエコ・エクセレンスを2009年度においては96.2%まで向上することができました。本活動は2004年の開始から7年目に入り、参加者累計は約6,850名に達しています。また、NEC田んぼ作りPjの現場を近隣小学校の環境教育の場として活用してもらい、これまでに3,000人に及ぶ生徒が参加しています。

評価ポイント
「NEC グループ環境経営ビジョン2010」は、2003年3月に、NEC の事業活動や製品の消費電力に伴って排出されるCO2を、ICT を活用したソリューションやサービスの提供によって得られるCO2の削減効果で相殺し、2010 年までに「CO2排出:実質ゼロ」を実現することを宣言したもので、環境人材を100%にする、という本活動内容とも連動し、全社的な高いレベルの取り組みが行われている点が評価された

サラヤ株式会社

原料供給地の環境問題 ボルネオ環境保全プロジェクト

製品の原料作物のひとつであるアブラヤシの農園が急速に広がり、熱帯雨林が伐採され、野生動物が影響を受けていることから、2004年より、ボルネオ・サバ州で野生生物の救出や熱帯雨林の保全活動にNPOや現地政府等と共に取り組んできました。代表商品であるヤシノミ洗剤などの売上1%をボルネオ保全トラスト(サバ州のキナバタンガン川とセガマ川の流域の分断された保護区をつなげて緑の回廊を実現する)に資金提供することをはじめ、各種の支援やシンポジウムの開催、消費者と共にボルネオの環境問題を考えるキャンペーン活動を行っております。多くの方々の募金によってボルネオの2か所の土地(合計9.5エーカー)と象の通り道になっている森 7,000坪を取得しました。

評価ポイント
生物多様性保全に関わる課題を真摯に受け止め、具体的なアクションにつなげられており、国内のみならず海外においても高い評価を受けている。また、ボルネオの環境情報をシンポジウムやキャンペーンを通じて多くの消費者へ伝えている点、環境への取り組みの歴史も長く、サスティナブル・パーム認証油の入取準備など、環境配慮製品開発への継続的な取組みが評価された。

シャープ株式会社

グローバルでの生物多様性へのハイブリッド型アプローチ

シャープ生物多様性イニシアチブを2009年に策定し、環境に配慮した「事業活動」と環境教育や植林などの「社会貢献活動」のふたつの側面からアプローチを行っております。
事業活動では、独自の生物多様性チェックシートに基づき、バリューチェーン毎に定量評価と定性評価をグローバルに展開しています。日本における社会貢献活動では、2004年以来「シャープの森」を全国11ヶ所に開設し、保全活動を行うとともに従業員と家族への環境意識の醸成を目的とした活動をしています。年間延べ1500名が保全活動に参加しています。海外においても、自治体や環境保護団体との連携により、地域に根差した保全活動を実施しています。

評価ポイント
調達・研究・開発・生産・販売・物流それぞれのステージで生物多様性の保全を含む環境負荷低減のための具体的な取組み内容が示されており、バリューチェーンのグリーン化に関する取組みが包括的に実行できている。5月22日の国際生物多様性の日にあわせてグローバル一斉イベントを開催し、27の国と地域で森林保全活動・河川の清掃・生物多様性セミナーなどが行われ、約3,600名が参加されている点も評価された。

UCC上島珈琲株式会社

コーヒーを通じて「多様な生物との共存」を考えるUCCコーヒーの取組み

コーヒーの生産国は、自然豊かな土地である反面、多くの動植物が絶滅の危機にあるエリアと言われています。安全で安心なコーヒーを安定して供給し続けるためには、持続可能な生産すなわち自然環境との共存が欠くことのできない視点です。
その観点から、1996年には有機栽培コーヒーの販売を開始し、2004年には日本のコーヒーメーカーとして初めてレインフォレスト・アライアンス認証コーヒーの販売を開始しました。また、ジャマイカ国にあるUCCブルーマウンテンコーヒー・クレイトン農園が、2008年4月にカリブ海初のレインフォレスト・アライアンス認証農園になるなど、生物多様性の保全に考慮したコーヒーの栽培・製造・販売に積極的に取り組んでいます。

評価ポイント
早い時期から生物多様性の保全を考慮した有機栽培コーヒーの製造に取り組むとともに、サスティナブルコーヒーの取扱量を2004年度から比べて2009年度には4倍に拡大させている。また、「UCC生物多様性宣言」「UCC生物多様性指針」を2009年に作成し、レインフォレスト・アライアンス認証コーヒーの販売を日本のコーヒーメーカーとして初めて販売するなど、業界内での先進的な取組みを推進し、実績をあげていることが高く評価された。

審査員特別賞

旭有機材工業株式会社

高断熱ノンフロン現場発泡断熱システムの開発及び実用化

硬質ウレタンフォームはその優れた断熱性や接着性から、住宅・建築用断熱材(現場発泡断熱材や工場生産の断熱ボード等)として幅広く利用されています。現場発泡分野では断熱性能や長期安定性を確保する為に発泡剤としてフロン(温室効果ガス)が多く使用されていますが、高断熱ノンフロン断熱材の開発は業界の大きな課題でした。当社は独自のフェノール樹脂技術を用い、業界で初めて、水発泡によるノンフロンかつ高断熱の現場発泡ウレタンフォーム(商品名 ゼロフロン®ER)を開発し、実用化に成功しました。

評価ポイント
現場発泡ウレタンフォームのノンフロン化は温暖化防止に大きな効果があり、重要な取組みであると同時に、今後の取組みが期待されている建設分野におけるグリーン購入の拡大に貢献することが期待される点が評価された。

株式会社伊藤園

茶殻リサイクルシステム

伊藤園の主力製品である「お~いお茶」などの茶殻の排出量は約41,800tあります。茶殻は茶ポリフェノールなど多くの有用成分が残っている一方で、多量に水を含んでおり腐敗しやすい欠点があります。それを乾燥させるとエネルギーを多く使用してしまいます。そこで伊藤園では含水茶殻を保管する技術・運ぶ技術・配合する技術を開発し、「茶殻リサイクル製品」として製品化を行っています。茶殻入り畳や茶配合樹脂、茶殻配合紙など様々な茶殻リサイクル製品を作ることで、異業種他社と協力しながら市場展開し、その活動を「チーム茶殻」と名付け、コミュニケーションの輪を形成しています。

評価ポイント
お茶の香りが残る茶殻配合紙などに代表される茶殻リサイクル製品の種類を長年に渡って増加させ、グリーン購入の取組み分野を拡大している。また、取組みをさらに拡大させるため異業種の会社とも連携した活動を行うなど、着実な取組みが高く評価された。

パイオニア株式会社

走行前に燃費がわかる業界初の「エコ・ルート探索」搭載カーナビゲーション、”パイオニア・サイバーナビ”

エコカーの普及にあわせて自動車市場では顧客のエコ志向、節約志向が高まっています。独自の燃費推定技術と渋滞予測機能を連携させることで、走行前に車ごとの燃料消費が少ないルートを探索して案内する「エコ・ルート探索」機能をパイオニアのカーナビゲーション「サイバーナビ」に搭載しました。これまでの渋滞を考慮しないカーナビに対してCO2排出量を20%削減することができます。

評価ポイント
昨年大賞を受賞したバスの省エネ走行システムとはまた異なる内容での応募で、パイオニアの取組みの幅の広さがうかがわれる。走行前にエコなルートを案内しドライバーのエコドライブを支援するカーナビの開発は、実質的な環境負荷低減効果が期待されるとともに利用者の経済メリットを実感させるサービスの一つでもあり、今後の利用拡大が期待される。

審査員奨励賞

済生会八幡総合病院

環境管理委員会 ISO14001認証取得と、意識改革による「グリーンコンシューマーの育成」

環境に関する病院職員の意識改革と環境負荷低減を目的にISO14001認証を取得し、使用電力の削減、病院内の食堂で地産地消を考慮した食材の活用、食堂や入院患者の食べ残しを分解して肥料にするなどの取組みを行っています。この生ごみ処理は、収集運搬焼却と比較した場合、43%のCO2削減につながっています。さらに「病気予防はまず口から!」という信念のもとに歯科を新設し、入院患者や職員を対象に口腔ケアを実践していきます。これにより食や口からの健康づくりを実感してもらい、病気にならない総合的なライフスタイルを確立し、各人の意識改革を促すことで「究極のグリーンコンシューマー」を育成することを目標にしています。

評価ポイント
これまであまり環境負荷軽減への取組みが開示されていない病院分野において、ISO14001にからめた継続的な取組みが評価された。また、単なるCO2削減や省エネだけではなく、職員の意識改革を目的としており、今後の取組みの継続性とさらなるステップアップが期待される。

びわ湖放送

「買うならエコ!とっておきエコ情報キャンペーン」

テレビという媒体を活用し、滋賀グリーン購入ネットワークが実践するグリーン購入啓発イベントをスポット放送(CM)でPRするとともに、主婦向け自社制作番組内のコーナー企画枠で紹介し、視聴者へ「グリーン購入の実践」「滋賀グリーン購入ネットワーク・キャンペーンへの参加」を広く呼びかけました。滋賀はグリーン購入先進地と言われていますが、一般の方々への普及はまだ必要です。地産のものを選んだり、環境ラベルを見たり、グリーン購入は身近なところから出来るのだということを多くの人にPRすることができました。

評価ポイント
CMのみならず、番組内での特集企画の内容が、視聴者の立場から見てわかりやすくグリーン購入を伝える内容になっていた点がすばらしい。メディアの持つ影響力の大きさを考慮し、グリーン購入普及への価値ある取り組みであると評価された。

フェリス女学院大学

地域の環境教育の拠点としてのエコ・キャンパス活動

キャンパス内に風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器、ハイブリッド街路灯など、多様な環境配慮型設備を導入し、さらに地域参加型ビオトープの造成、学生による積極的な環境活動など、地域の環境教育の拠点としてのエコキャンパス活動に取り組んでいます。親子対象の公開講座の運営、地域の環境イベントでの展示など、学生による多様で積極的な環境活動も継続して行っています。

評価ポイント
ハード面、ソフト面で取組み内容のバリエーションが充実しており、学生のみならず地域を巻き込んだ継続的なグリーンコンシューマーの育成が期待できる。加えて過去10年に及ぶエコキャンパス化の取組みが高く評価された。