2002年度におけるパソコン本体の国内総出荷台数は約984万台であり、パソコン購入ガイドラインが制定された1997年度の国内総出荷台数の約685万1千台と比較すると、5年間で約44%の伸びとなっています。内訳はデスクトップ型が44%、ノート型が56%で、ノート型の比率が次第に高まる傾向が見られます。(出典:社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
7) 同梱される自社製品のユーザーマニュアルの作成・印刷にあたって環境に配慮されていること
1) 使用時・待機時の消費電力が小さいこと。(省エネ法、国際エネルギースタープログラムの基準を満たし、低電力モードでの消費電力が小さいこと)
パソコンの平均保有年数は、法人ユーザー向け商品5.8年、個人ユーザー向け商品8.9年となっています(出典:社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)平成15年調査結果)
一度購入した製品は、大切にできるだけ長く使うことが必要です。現在のコンピュータ技術の進歩は極めて早く、利便性が高い新たな技術、周辺機器、ソフトなどが目まぐるしく市場に登場しています。このような製品を長期使用するためには、耐久性に優れていることに加え、性能向上や機能拡張ができる構造を持っていることが必要です。
現在メーカー等において、ユーザーから使用済のパソコンを引き取って修理・整備をした後、再度販売する取り組みが行われています(機器の再使用)。機器の再使用を容易にするためには、長期使用を図る際と同様、耐久性に優れていることに加えて性能向上や機能拡張ができる構造を持っていることが必要です。
性能向上や機能拡張を行うためには、メモリやハードディスクを増設して性能を向上させたり、さまざまな周辺機器との接続が可能であることが求められます。そのため、拡張スロット(デスクトップ型)、PCカードスロット(主にノート型)、USBIEEE1394ポート等を備えていることが必要です。コンピュータの心臓部であるプロセッサ(CPU)についても、処理速度の速いものに交換可能なことが望まれますが、プロセッサは一部のプロセッサメーカーの戦略に依存しており、パソコンメーカーとしての対応には限界があるのが現状です。
また、機器使用時に発生した故障やトラブルに対応するため、メーカー側の修理体制が充実していることが望まれます。具体的には、電話等による対応を行うサポートセンターがユーザーにとって利用しやすい形で整備されていることや、機器の修理や機能拡張に関する問い合わせに対応できることなどが挙げられます。また、ユーザーが機器の一部を破損又は紛失した際に、ユーザー自らが交換などを行うことができるよう、メーカーが各部品(パーツ)ごとの販売・交換にも対応できることが望まれます。
(基本原則2-4に対応)
2) 長期使用や再使用を可能にするため、性能向上や機能拡張ができること。また、修理体制が充実していること
消費電力ができるだけ小さい製品を購入することは、二酸化炭素の排出量削減やエネルギー資源の保全になるとともに、ランニングコストの削減にもつながります。
機器を一定時間使用しないと自動的に消費電力が落ちて低電力モードに移行する機能は、不必要な消費電力を減らすことに大きく貢献します。低電力モードの消費電力は、可能な限り小さいことが望まれます。日米で進める国際エネルギースタープログラムでは、コンピュータ(パソコン)及びディスプレイ(モニター)を対象として低電力モードでの消費電力などに関する基準を定めており、この基準をク○わが国では「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)に基づき、通産省(現・経産省)告示(平成11年)で電子計算機(パソコン等)及び磁気ディスク(ハードディスク)を対象として「エネルギー消費効率」の基準値が区分ごとに定められています。なお、2006年度には基準が変更される予定です(2007年度目標の基準)。リアした製品には「エネルギースターロゴ」を付けることができます。なお、ディスプレイについては、2004年末に基準が変更される予定です。
消費電力が小さい商品を購入する上においては、上記の省エネ法、国際エネルギースタープログラムの基準を満たしていることが参考となります。
また、省エネ法や国際エネルギースタープログラムの対象外となる機器(各種ドライブ、キーボード、マウス等)についても、消費電力が小さいことが望まれます。
(基本原則2-2に対応)
省エネ法及び国際エネルギースタープログラムの基準の詳細は、財団法人省エネルギーセンターのホームページ http://www.eccj.or.jp/ を参照)
3) 使用後に分解して部品の再使用や素材のリサイクルがしやすいように設計されていること
購入した製品を長く使用しても、いずれは廃棄しなければなりません。その際にできるだけ多くの部品が再使用(そのままの形状で同じ用途に使用)できる、また、できるだけ多くの素材が原料としてリサイクルできるような配慮を組み込んだ設計がなされていることが必要です。
購入にあたっては、部品ごとの分離・分解や素材ごとの分離・分解・分別が容易なように、分離不可能な複合素材の削減、異種材料の溶接の削減、リサイクルしにくい素材の削減、素材への材質表示、材質の統合化など、メーカーがリサイクル設計に努力しているかどうかを考慮します。
(基本原則2-52-6に対応)
4) 製造事業者が、引き取った使用済み製品とその部品の再使用を積極的に進め、再使用できないものについては素材のリサイクル比率を高めるよう努めていること
使用済みのパソコンの処理にあたっては、まず、できるだけ多くの部品を再使用することが優先されるべきです。そして、それが困難な場合には素材を原料としてリサイクルすることが次善の策に位置づけられます。
2001年4月1日の「資源の有効な利用の促進に関する法律(改正リサイクル法)」の施行により、事業系ユーザーからの使用済パソコンの回収及び再資源化の実施がメーカーに義務づけられました。また、2003年10月1日からは一部改正された同法の施行により、一般消費者からの使用済パソコンの回収及び再資源化の実施がメーカーに義務づけられています。同法では「資源再利用率(注)」の目標値を設定しています(下表を参照)。
現在メーカーにおいて、ユーザーから回収した製品を修理して再度販売したり、回収した製品の部品を再使用したりする取り組みが行われています。そして、再使用できない部品については素材のリサイクルを進めています。それらの取り組みの結果は、メーカーのホームページ等において「資源再利用率」等の形で公開されています。購入にあたっては、メーカーが引き取った使用済み製品とその部品を積極的に再使用しているか、素材のリサイクル比率を高めるよう努めているかどうかを考慮します。
(基本原則3-2に対応)

デスクトップ型

パソコン本体

ノート型パソコン

CRT(ブラウン管)

モニター

LCD(液晶)

モニター

50%

20%

55%

55%

<改正リサイクル法において、2000年度までに達成すべきとされている資源再利用率の目標値>
注)資源再利用率=再利用及びマテリアルリサイクルされた素材の重量÷回収した製品重量×100
5) 再生材料が多く使われていること
廃棄物の削減や資源の節約のため、再生材の利用が進むことが望まれます。
現在、回収した使用済み製品から取り出した再生プラスチックや、産業廃棄物などから回収される再生プラスチックを製品に使用する取り組みがメーカーにおいて進められています。また、一部の製品においては、再生マグネシウムが筐体等に使用されています。マグネシウムは素材として使用され始めてからあまり年月が経過していないため、現在はマグネシウムを含んだ機器の多くは消費者の手元にあると考えられます。しかし今後は廃棄マグネシウムの増加が予想されることから、リサイクルの循環を促進するため、再生マグネシウムを積極的に使用することが望まれます。購入にあたっては、製品に再生材料が使用されているかどうかを考慮します。
(基本原則2-7に対応)
6) 鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定の臭素系難燃剤(PBBPBDE)を極力含まないこと
一般的に、電気電子機器には様々な化学物質や重金属類等が含まれています。現在メーカーでは、機器に含まれるそれらの物質量を管理・把握するための取り組みを行っています。
化学物質や重金属類のうち、環境へ悪影響を与える可能性がある物質については、使用量の削減や他の物質へ代替する取り組みがメーカーで行われています。また、環境に配慮した原材料の調達の一環として、メーカーと部品メーカーが協力して環境に悪影響を与える可能性がある物質の機器への含有量を削減する取り組みが行われています。今後、この取り組みが一層活発化していくと考えられます。
とりわけ、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(多臭化ビフェニル)、PBDE(多臭化ジフェニルエーテル)については、製品が使用後に廃棄物として処理される際(焼却時や埋め立て等)に、大気や地下水などに排出されて環境に悪影響を与える可能性が指摘されています。
上記6物質は現在以下の用途で電気電子機器に使用される場合があり、現在メーカーによって使用量削減や他の物質へ代替する取り組みが積極的に行われています。
鉛: はんだ材料、配線被覆類の添加剤、蛍光管のガラスの添加剤など
水銀: 蛍光管、照明など
カドミウム: 着色剤、配線被覆類の添加剤など
六価クロム: 鋼板・ねじなどの防錆用処理など
PBBPBDE プラスチックの添加剤など
上記6物質を電気電子機器に含有することについての規制として、欧州では2003年2月に欧州議会及び閣僚理事会からRoHS指令(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会および閣僚理事会指令)が公布されました。本指令では、2006年7月1日以降にEU加盟国において上市される電気電子機器について上記6物質の含有が一部の用途を除いて原則として禁止されることになっています。また、中国や韓国など他の国でも電気電子機器への上記6物質の含有を規制する法制度の整備が予定されており、化学物質の管理・規制強化の動きは広がりつつあります。
上記の状況を踏まえ、機器の購入にあたっては、上記6物質を極力含まないことを考慮します。
(基本原則2-1に対応)
パソコンに同梱されるユーザーマニュアルは、全て紙で作成した場合、使用される紙は相当な量に上ります。マニュアルを一般的な使用上支障がないと判断される範囲内でCD-ROM化やオンライン化することなどによって、紙の使用量そのものをできるだけ削減することが望まれます。その上で、紙を用いて配布するマニュアルについては、古紙を多く配合した紙の使用や、植物油を含有したインキの使用など、各種の環境への配慮を行うことが望まれます。
具体的な配慮内容としては、GPN「オフセット印刷サービス」発注ガイドラインに沿った取り組みを行っていることが望まれます。
(基本原則2-12-22-62-7に対応)
[パソコン」購入ガイドラインのPDFファイル

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ガイドラインの新旧対応表
 

現ガイドライン(2003年制定)

旧ガイドライン(1998年制定

改定内容

ガイドライン項目

使用時・待機時の消費電力が小さいこと。(省エネ法、国際エネルギースタープログラムの基準を満たし、低電力モードでの消費電力が小さいこと) 使用時の消費電力量が少ないこと。ここでは、省エネ法に基づく「エネルギー消費効率」が小さいこと 一部修正
一定時間使用しないと自動的に低電力モードに移行する機能を有しており、低電力モードでの消費電力が小さいこと
長期使用や再使用を容易にするため、性能向上や機能拡張ができること。また、修理体制が充実していること 長期使用を可能にするため、性能向上や機能拡張ができること 一部修正
使用後に分解して部品の再使用や材料リサイクルがしやすい使用後に分解して部品の再使用や材料リサイクルがしやすい 使用後に部品の再使用や材料リサイクルがしやすいように設計されていること 変更なし
製造事業者が、引き取った使用済み製品とその部品の再使用を積極的に進め、再使用できないものについては材料リサクイルの比率を高めるよう努めていること 製造者が使用済み自社製品を引き取り・リサイクルするよう努めていること 一部修正
再生材料が多く使われていること 再生プラスチック材が使われていること 一部修正
鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定の臭素系難燃剤(PBB、PBDE)を極力含まないこと   新規追加
同梱される自社製品のユーザーマニュアルの作成・印刷にあたって環境に配慮されていること 同梱される自社製品のユーザーマニュアルに再生紙を使用していること 一部修正
情報提供項目   臭素系難燃剤の使用(本体、モニター、キーボードの筐体について) 削除
○塩ビ(ポリ塩化ビニル=PVC)の使用 ○塩ビ(ポリ塩化ビニル=PVC)の使用(本体、モニター、キーボードの筐体について) 変更なし
電磁波について
 CRT(ブラウン管)モニターやLCD(液晶)モニター等は、高電圧の回路やコイルが使用されているため、微量の電磁波を発生します。

 この電磁波(電磁界)の健康影響が注目されたのは、1970年〜80年代にかけてスウェーデンやアメリカの調査報告の中で、小児白血病と高圧電線の関連性が示唆されたからです。その後、世界各国のさまざまな研究機関で電磁波の健康影響について研究が行われました。

 海外文献をレビューした環境庁(現・環境省)の報告書(平成7年3月)では、「電磁波に問題があるというポジティブな報告と、問題は見られなかったというネガティブな報告があるが、問題があるという報告は『ない』という報告より報告される機会が多いので、真の相関があるのかどうかを確かめるには更なる研究が必要であり・・・・」と述べ、「現時点で電磁環境の健康影響の有無を結論づけることはできない」としています。現在も、環境省では継続的に調査を行っています。
 塩ビなどの塩素化合物を焼却したり、他の様々な物質を塩素源と一緒に焼却すると、条件によってはダイオキシン類や塩化水素ガスが発生する可能性があります。しかし、ダイオキシン類発生のメカニズムは十分に解明されておらず、廃棄物中の塩素含有量とダイオキシン類発生量の間に正の相関関係があるかどうかについても専門家によって見解が分かれており、結論が出ていないのが現状です。
現在は機器の配線被覆類(機内配線や機外ケーブルの被覆類)や基板上の部品の被覆類(カバー類)などに塩ビが使用されていますが、上記のような懸念からポリオレフィン系など塩素を含まない材料への代替が検討されています。
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○塩ビ(ポリ塩化ビニル=PVC)の使用

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 バイオプラスチックは、トウモロコシ等植物に含まれる多糖類(澱粉やセルロース等)を単糖類(ブドウ糖等)に分解した後、発酵させて乳酸等の脂肪酸類に転化し、これを縮合重合して高分子化してつくられた植物由来のプラスチック(バイオマスプラスチック)を成分としたプラスチック素材です。すなわち、バイオマスプラスチックに実用上必要な各種物性を確保するために成分調整されたプラスチック素材をバイオプラスチックとしています。現在バイオマスプラスチックとしては、ポリ乳酸(PLA)が代表的ですが、ポリヒドロキシブチネート(PHB)やポリブチレンサクシネート(PBS)などその他の種類のプラスチックもあります。
 バイオマスプラスチックは、植物を原料とする「植物由来素材」であると同時に、「生分解性」という側面も持ち合わせている場合があります。バイオプラスチックの環境影響評価は様々な評価が行われています。GPNでもバイオプラスチック研究会で考え方を整理しており、バイオプラスチックの定義をバイオマス樹脂の重量比率25w%以上としています。本ガイドラインでは、「植物由来素材」であることに焦点を絞って、情報提供項目として取り上げています。
 バイオマスプラスチックは、素材製造の原料(澱粉やブドウ糖などの糖類)として植物起源のものを原料としており、持続可能な植物原料の調達をしている限り、植物由来の原料のCO2 排出は、植物の成長過程で固定した大気中のCO2 を再度大気中に排出していると考えることができるため(プラスマイナスゼロ)、大気中のCO2 濃度を高めることはなく(カーボンニュートラル)、石油系プラスチックの原料である枯渇性資源の使用を節約できます。また、使用済みバイオマスプラスチックのリサイクルについては前述のようにカーボンニュートラルであるため、サーマルリサイクルによる環境負荷は比較的小さいものですが、マテリアルリサイクル(メカニカルリサイクル)の場合でも物理的な物性には問題はなく、効率的な回収を実現することにより、さらに環境負荷が小さくなる可能性があると言われています。
 一方で、バイオマスプラスチックの一つであるPLA(ポリ乳酸)は、一社による量産でまかなわれているため、PLA製造時の環境負荷に関する情報はこの一社以外では十分に整備されていません。また、マテリアルリサイクル時のデータも未整備であることから、現状のデータを、バイオプラスチックが普及した後も引き続き環境影響の推定へ適用することが妥当かどうか指摘されています。
 現在、電機製品の筐体や部品の一部で採用が進められており、採用部位の拡大や配合率を高める取り組みが行われています。また、部品への素材表示や使用済み製品の回収・リサイクルに向けた技術開発もメーカーで進められようとしています。バイオプラスチックへの関心は高まってきており、今後、他の製品での採用も広がることが予測されます。
 以上のように、バイオマスプラスチックについては、まだ十分に環境への影響評価が検証されているとは言えず、製品への採用に関しては物性や製造時・廃棄時の負荷などを考慮する必要がありますが、それゆえ、今後さらにバイオプラスチックに関する情報の開示や整備、検証の進むことが期待されます。

バイオプラスチックの使用(製品本体)