○蛍光増白剤の残留について

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1) 古紙を多く配合していること
ティッシュペーパーのサイズは、ペーパーの面積で規定されています。現在、一般的なティッシュペーパーのサイズには、ペーパーの面積によってLタイプ(450cu以上)、Sタイプ(420cu以上〜450cu未満)の2つがあり、市販されている殆どの製品はLタイプのものです。
Sタイプのペーパーサイズであっても一般的な使途においては支障がなく、LタイプをSタイプに切り替えることで資源の節約に繋がります。省資源の観点からもサイズの小さいペーパーを使用することが望ましいと考えられます。
2) ペーパーのサイズが小さいこと

ティッシュペーパーは使用後に二度と再生できないものですから、他の製品以上に古紙利用を優先すべきだと言えます。しかし、日本で生産・消費されるティッシュペーパーは、木材から直接得られたパルプ(以下、単に「パルプ」という)を100%原料につくられたものが大半で、古紙を利用した製品のシェアは5〜6%程度と推定され、以前と比較しても古紙配合製品のシェアは伸び悩んでいます。(現在は、古紙とパルプを混合した製品は製造されていません)

古紙を再利用することは、ごみを減量化し、焼却や埋立てなどの廃棄物処理による環境負荷を低減することができ、資源の有効利用につながります。また、パルプの需要は今後世界的に高まることが予想されていますが、植林などを進めてもパルプの供給には限りがあります。森林資源への過度な需要圧力を緩和するためにも、資源としての古紙の役割はますます重要になっています。
一般的に製品を古紙から製造した場合、木材をパルプ化して製造する場合に比べて総エネルギー消費量や総CO2排出量は減少します。このうち重油など化石燃料由来のエネルギー消費量やCO2排出量だけを見ると、古紙の場合の方が逆に多くなります。これはパルプの場合、木材をパルプ化する工程で発生するリグニン成分などをバイオマス燃料として利用でき、製造に必要なエネルギーの多くを賄えるためです。
これまで以上に古紙の回収と利用を促進し、用途に応じて古紙を多く配合しているティッシュペーパーの需要を拡大していくことが望ましいと考えられます。(基本原則2-2、2-7に対応)
<参考>古紙は、紙の加工工場や印刷工場から出る古紙(産業古紙)と、家庭やオフィスで消費財として最終用途を果たした後に発生する古紙(市中回収古紙)に分けられます。産業古紙は品質が安定しているため従来から利用が進んでいますが、市中回収古紙は一般的に様々な種類の紙が混ざって質が低いために利用が滞ることがあります。よってオフィスや家庭など古紙の発生源での適切な分別と回収を更に進めるとともに、市中回収古紙を使った紙の利用を進めることも有効と考えられます。
3)

白色度が過度に高くないこと

古紙製品の白色度は、原料古紙の質によって60〜80%程度までばらつきがあります。(一般的な古紙100%製品の白色度は70〜80%、パルプ製品の白色度は80〜86%程度と言われています。)白色度の低い中低級古紙を多く配合した場合、出来上がる製品の白色度も当然低くなります。古紙の利用を拡大していくためには白色度の低い中低級古紙なども利用していく必要があります。
わが国ではティッシュペーパーのJISにおいて白色度78%以上という規定があることもあり、パルプ製品の白色度は80%をかなり上回っているのが現状です。製品に過度な白色度を求めると、牛乳パックなどの白色度が高く印刷が少ない古紙に原料が限られてしまいます。また、より多くの漂白剤を使用しなければなりません。
本来、用途の性格上ティッシュペーパーには、過度な白色度は不必要であり、消費者が過度な白色度を求めなくなれば、脱墨剤や漂白剤の使用削減、中低級古紙の利用促進、エネルギーの削減、歩留まりの向上などに貢献し、ひいては生産コストの削減にもつながります。(基本原則2-1、2-2に対応)
4) ボックスタイプの場合、箱の容積が小さいこと
ボックスタイプの場合、箱の容積を小さくすることで「箱自体の紙の使用量や販売にかかる包装が削減できる」、「製品の輸送にかかるエネルギー消費が削減できる」など省資源と省エネルギーになります。消費者にとっても「購入時の持ち運びが容易である」などの環境配慮型製品の購入を促すことに繋がります。
現状、ティッシュペーパーのボックスは、殆どが古紙で作られています。今後は、ボックスへの印刷についての環境配慮(GPN「オフセット印刷サービスガイドライン」参照)なども望まれます。
5) 塩素ガスを使わないで漂白されたパルプ(ECFパルプ)の配合が多いこと

木材等からパルプを製造するとき、従来は塩素ガス(Cl2)を主体に漂白していましたが、有機塩素系化合物が発生し、水質や大気の汚染につながる可能性があるため、塩素ガスを他の物質で代替して使用量を削減する取り組みが重ねられてきました。

この取り組みを進めて、塩素ガス(Cl2)を全く使用せず二酸化塩素(ClO2)を主体として酸素やオゾンなどを組み合わせて漂白する方法が『ECF(Elementally Chlorine Free)』と呼ばれる漂白方法です。ECFでは有機塩素系化合物がほとんど発生しません。日本を含め世界的に従来方法からECFに転換する動きが進んでいます。
塩素系物質を全く使わずに漂白する『TCF(Totally Chlorine Free)』という方法もあり、ECFよりさらに有機塩素系化合物の発生が少なくなりますが、紙の繊維が弱くなるなどの問題も指摘されており、TCFは北欧など一部地域の生産に留まっています。
有機塩素系化合物による環境汚染の可能性を少しでも減らすため、ECFやTCFなど塩素ガスを使わないで漂白されたパルプを使用することが望まれます。(基本原則2-1に対応)

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蛍光増白剤は食品衛生法によって食品や直接食品に触れるものへの添加が規制されています。現在、トイレットペーパーの製造過程で蛍光増白剤は使用されていませんが、古紙に含まれる蛍光増白剤をリサイクルの過程で完全に取り除くことができないため、古紙製品には蛍光増白剤が残留しています。しかし、残留量は極めて少ないので古紙製品の利用を推進すべきです。
日本のティッシュペーパー市場は、ここ数年横ばいであり、購入ガイドラインが制定された1997年の58.2万トンから2001年現在では約56.0万トンとなり、僅かながら縮小しています。(出典:紙・板紙統計年報「日本製紙連合会」)2001年の生産・消費量は、国民一人当たりに換算すると年間約4kgを消費したことになり、アメリカの1.5kgと比較しても非常に多く、世界1位の消費量になっています。
着色・着香・印刷の製品は、製造工程における環境負荷が、それを行わないものと比較して大きいとされているため、可能な限り使用しないことが望まれます。着色・着香・印刷が古紙製品の使用量を拡大する手段として行われる場合であっても最低限に留めることが望まれます。

○着色・着香・印刷について

パルプの原料(適切に管理された森林等から得られたものであることについて)

紙・パルプの原料として古紙利用を進めることは重要ですが、繊維はリサイクルを繰り返すたびに劣化していくため、製紙産業全体としては必ず新しいパルプを投入していく必要があります。そこでパルプの原料についても情報提供することとします。
パルプ原料には木材と非木材がありますが、日本では木材パルプが全体の99%以上を占めています。また、パルプ原料のうち国産材と輸入材では、経済的な要因などから輸入材の割合が年々増えて約7割を占めています(2001年経済産業省「紙パルプ統計」より)。

木材パルプ

非木材パルプ

天然林材

天然植物(アシ等)

人工林材(間伐材、低質材、植林材等)

栽培植物(ケナフ、タケ等)

製材残材等(林地残材、建築廃材含む)

農産廃棄物(バガス等)

【輸入材】輸入材の構成比は、人工林材44%、天然林材38%、製材残材18%になっています。1970年代から日本の製紙産業による海外の植林事業が始まり、近年はこれらの植林地から採れた木材の輸入も増えています。その結果、人工林材の割合が増えて天然林材が減る傾向にあり、天然林の伐採圧力を減らすことにつながっています。
【国産材】国産材の構成比は、製材残材45%、天然林材30%、人工林材15%、その他(林地残材や建築廃材など)10%になっています。製材残材等を利用することは資源の有効利用に貢献します。人工林材の大半は間伐材や低質材(曲がった木や芯などが腐った木)です。人工林の管理・育成のためには間伐が必要で、間伐材等を利用することはわが国の山林保全にも役立っています。また、天然林材のほとんどは人の手が入った二次林からのものです。
【非木材パルプ】ケナフなどの栽培植物については、人工林材と同じく天然林の伐採圧力を減らすことになると考えられます。また、バガスなどの農産廃棄物を利用することは、製材残材などと同様に資源の有効利用につながります。現在、日本の紙原料に占める非木材パルプの割合は1%未満ですが、今後その特色を生かして木材パルプを補完する役割が広がると考えられます。
上記のようにパルプの原料は森林や農地(以下、森林等)から得られますので、下記のような事項に配慮し、適切に管理された森林等から得られたパルプであることを確認することが望まれます。
⇒違法伐採でないこと/地域住民など利害関係者等と重大な係争がないこと/天然林を近年になって人工林に転換した土地でないこと/持続可能な生産ができていること/生物多様性に配慮していること(主に天然林について)等
環境側面からの適切な森林管理の考え方や基準については、地域によって生態系や自然・社会状況が異なるため、まだ国際的なコンセンサスが得られていません。その認証については世界各地で多くのシステムが運用されていますが、国際的に利用されている制度としては、環境保護団体を母体にした第三者機関FSC(森林管理協議会=Forest Stewardship Council)の森林認証制度、国際標準化機構の環境マネジメントシステムISO14001などがあります。
現在、製紙業界では木材の調達経路を確認するとともに、自社植林地や第三者認証を受けた森林からの原料調達を進めており、一部にはこれらの森林のみから得られたパルプを使った紙の生産も始まっています。こうした取り組みは今後拡大することが期待されますので、パルプ主体の紙を購入する場合、これらの情報にも配慮することが望まれます。
本情報提供項目については、適切な森林管理の基準に関する国際的なコンセンサスづくりが進展するとともに、それを確認できる紙の供給がある程度増えた時点でガイドライン項目化することを検討します。(基本原則2-2、2-7に対応)
ティッシュペーパーとしての機能をもたせるため、通常、紙力増強剤などの使用により水に強い加工がされています。そのため、公共トイレなどで使用された場合には下水が詰まるなどの影響も考えられます。また、高山で使用され廃棄された場合などは解けずに残留してしまい美観を損ねる場合があります。現在は、水解性のティッシュペーパーが製品化されており、災害時の備蓄用として自治体などで購入する場合も増えています。野外環境や公共トイレなどで使用する機会が多いポケットティッシュなどは、環境への負荷を軽減するためにも水解性のティッシュペーパーの利用を推進することが求められます。水解性のティッシュペーパーは一般的なものよりも通常厚い紙を使用しているため、1枚あたりのパルプ使用量が多くなります。(坪量:水解性ティッシュ17g以上程度、一般的なティッシュ11〜12g程度)

○水解性(水溶性)について

<パルプを使用している場合>
日本で生産・消費されるティッシュペーパーは、パルプ100%を原料につくられたものが大半であり古紙を利用した製品のシェアは5〜6%程度と推定され、以前と比較しても古紙配合製品のシェアは伸び悩んでいます。古紙製品の購入を進めることは最優先ですが、市場シェアの大きいパルプ製品についても環境配慮を推進することがティッシュペーパー全体の環境負荷の軽減に繋がります。
[ティッシュペーパー」購入ガイドラインのPDFファイル(24kb)