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【GPN】「東京大会_持続可能性に配慮したパーム油の調達基準(案)」に関するGPNの意見

ガイドライン2018.03.23

2018年3月16日、東京2020組織委員会は「持続可能性に配慮したパーム油・紙の調達基準(案)」を公表し、3月30日(金)17:00(日本時間)まで意見を募集しています。

本件の「持続可能な調達ワーキンググループ」において特別委員を務めたグリーン購入ネットワーク(GPN)より、「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準(案)」の内容について、下記のとおり、意見を述べます。

詳細≫持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準(案)[PDF 243KB]


■1項について
パーム油は日本での消費量が菜種油に次ぎ第2位の身近な植物油脂である。しかし、消費者の認知度が非常に低いという課題があり、パーム油が含まれる可能性が高い製品を明記したことは評価する。

■2項について
先住民族の土地に対する権利については「尊重する」という表現になっておりやや弱いと感じるが、別紙の「調達基準4に関する確認方法」を見ると、「事前の情報提供基づく、自由意思による合意形成が図られている」とあるので、このような内容を指すと理解できる。

■3項について
(1)にRSPO、MSPO、ISPOの認証制度について実効性の面で課題が指摘されるとある。これは、RSPOが10年以上にわたる実績があるものの、小規模農家への支援について課題が指摘されていることや、MSPOやISPOは制度が始まったばかりで実績が少なく、流通量も多くないことなどへの懸念である。

持続可能な調達ワーキンググループへ提出された資料や議事録によると、RSPOの認証油は1177万トン、ISPOは農園面積の15%(インドネシアは全生産量の半分のシェア)、MSPOは45万トンとのことであった。参考までに2014年のパーム油・核油の全生産量は約7000万トン、日本の輸入量は75万トンである。

3つの認証制度については2項の認証基準をかならずしも全て満たすものと言い切れないが、普及の観点から組織委員会はこれらを活用すると解釈できる。そのため、(4)に「認証制度について運用状況を引き続き注視する」という文言が入った。
これは、今後、これらの認証制度が2項の認証基準を満たさないと確認された場合は調達しないということが可能性としてありうることを示している。サプライヤーには、5項の書類の保管において、認証油かどうかという証明だけではなく、使用されたパーム油がどの認証制度のものか、どの認証レベルの油か、どのような農園かという一歩踏み込んだ情報を収集して保管することを奨励したい。

また、(2)の流通の各段階で受け渡しが正しく行われるよう適切な流通管理が確保されているという部分については、RSPO認証制度で言えば分別管理されたIP・SGレベルの認証油が求められ、MBは認証油と非認証油が混ざるため、これに該当しないように受け取れる。しかし、確認したところ、MBも可ということであった。

(3)において、認証油の確保が難しい場合はクレジット制度も認められていることから、調達が難しい理由があれば利用してもよいということになる。

■6項について
認証された材料であっても、これまで個別企業の開発案件で、住民との紛争が認められた地域があり、NGOから指摘を受けるケースがあった。サプライヤーがこのような情報を積極的に収集することを奨励するもので、よりリスクが少ない材料を調達することにつながることから、今回の調達コード案に加わった内容である。

■最後に
GPNとしては、日本人も大量に消費しているパーム油の環境・社会面の課題に対する一般の消費者の認知度を高めたい。また、既に持続可能性に配慮した調達を率先して行っている事業者のアピールのためにも、メーカーや小売事業者には積極的に「人と環境に配慮して生産された植物油脂(あるいはパーム油)」を使用していることを表示してもらいたい。また、既存のパーム油の認証・表示制度もあることから、これらの表示マークも大いに活用して頂き、2020年にむけて、また2020年以降も、よりこの問題に関する認知度が高まっていき「消費者のよりよい社会への選択行動」が普及することを東京大会のレガシーとして期待したい。

金子貴代(グリーン購入ネットワーク(GPN)):持続可能な調達ワーキンググループ・特別委員(パーム油)
深津学治(グリーン購入ネットワーク(GPN)事務局長):持続可能な調達ワーキンググループ・特別委員(紙)

<参考>
【GPN】東京2020大会・持続可能な調達WGにGPNは特別委員(パーム油)として出席
【GPN】東京2020大会・持続可能な調達WGにGPNは特別委員(紙)として出席

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