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【案内】大阪・関西万博 第8回持続可能な調達ワーキンググループ 傍聴報告

グリーン購入紹介2023-02-20

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2023年2月10日(金)に「第8回持続可能な調達ワーキンググループ」(以下、第8回調達WGとする)を開催しました。第8回調達WGは、2022年6月に制定された「持続可能性に配慮した調達コード」に個別の品目の基準を追加するとともに、前回までの委員の意見を取り入れた改定案を制定するために開催されました。
持続可能な調達の推進は、グリーン購入ネットワーク(GPN)の中核を担うもので、オリンピックパラリンピック東京大会の調達コード策定にも協力しています。調達コード策定の動向を把握する目的で第8回調達WGを傍聴しましたので、概要を紹介します。今回は、東京都環境局が実施するインターンシップとして、桜美林大学リベラルアーツ学群2年の渡邉幸奈さんに第8回調達WGを傍聴していただき、作成いただきました。


8回目となる今回は、持続可能性に配慮した調達コードの規定案や、資源循環ワーキンググループの設置等、さまざまな議題が取り上げられました。
水産物における絶滅危惧種の一例として、マグロとウナギが取り上げられました。今回の万博で提供することに関しての持続可能性や、その対策について専門家の見解が話されました。マグロは水産資源の最大持続生産量の基準(MSY基準)を超えないように規制する対策が必要で、持続的な利用を行うべきという意見が述べられました。一方、ウナギでは資源の管理と違法な漁獲と流通を防ぐため、令和4年12月に施行された「水産流通適正化制度」を活用し、シラスウナギの資源管理を強化する仕組みを構築しようとしていること、新たな仕組みを導入することによる作業負担の増加等、さまざまな課題があるため、研究を重ねて改善していきたいと述べられていました。
持続可能性に配慮した調達コードの改定案については、具体的に農産物、畜産物、水産物、パーム油、通知受付対応、脱炭素の各分類で、前回委員が出した意見を交えながら議論していました。その中で、シラスウナギについては、資源量に関する科学的根拠がない中で、サステイナビリティに配慮した食材として提供することの妥当性、ウナギの違反輸入品の取り締まりの対策と後を絶たない摘発、水産資源の規制による別の魚種の生態系のバランスを危惧する意見等が出されました。パーム油については、調達コードにISPO認証やMSPO認証が残っていることについて多くの意見が出ました。これらのさまざまな質疑応答が行われ、活発な議論となりました。
資源循環ワーキンググループの設置につきましても、委員の意見を踏まえた上で、新たな案が改定されたと説明がありました。
今後は、3月3日(金)に第7回持続可能性有識者委員会が開催される予定です。以降意見募集を行った後、その結果を踏まえて7月頃、持続可能性に配慮した調達コードが公表されます。

◆参考
第8回持続可能な調達ワーキンググループの会議資料が掲載されています。
第8回持続可能な調達ワーキンググループ(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会)

―会議を傍聴して―
私たちが普段不自由なく消費しているさまざまな資源は、有限であります。それを認知しているにも関わらず、サステイナビリティの認識が低く、多くの人が問題に取り組めていないのが現状であると思います。そのため、今回の万博を通して多くの国の人々が、持続可能性の重要さを再確認し、行動するきっかけや、意識の向上などにつなげてことができるのではないかと感じました。現代社会の便利のために未来を犠牲にして有限な資源を枯渇させることは、あるまじき行為だと考え、今後より具体的で効率の良い対策が必要であり、私も普段の生活から意識を変えてみようと思いました。(GPNインターン生 桜美林大学リベラルアーツ学群2年 渡邉幸奈)

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