会員団体合計1,309
団体(企業1,069、行政104
民間団体136
202438日時点
> > 再生紙(コピー用紙・印刷用紙)のグリーン購入について

再生紙(コピー用紙・印刷用紙)のグリーン購入について

ガイドライン2020-04-01

2018年12月頃から、地方自治体等においてグリーン購入法の判断の基準を満たした再生上質紙等の調達が困難になっているという事例が見られました。そのような状況をふまえ、グリーン購入ネットワーク(GPN)は、2019年2月に印刷用紙(再生上質紙等)におけるグリーン購入の考え方と対応方法について情報発信した他、GPN NEWS第114号(2019年9月発行)では再生紙の入手が困難な状況の背景や地方自治体の対応状況、今後の見通し等についてレポートしました。
情報発信から1年が経ち、関係者等にヒアリングを行い、現在の状況と今後の対応の仕方について考え方をまとめました。

詳細≫ 再生紙(コピー用紙・印刷用紙)のグリーン購入について [PDF149KB]


■日本国内の古紙
日本国内の古紙の在庫状況は十分に回復してきています。中国における古紙需要の減衰や中国の廃棄物輸入ゼロを掲げた輸入制限等も背景にあるようです。一部の地域では、古紙の価格が下落し、業者の買い取りが困難になっている例もあるようで、昨年の同時期とは逆に、日本国内の古紙を再利用する出口を確保(リサイクル用途を拡充)していく必要が出てきています。

■用紙の供給状況
・コピー用紙や印刷用紙は、再生紙や非再生紙を含め、2019年初め頃から10~20%程度価格が上昇しています。
・製紙会社では、用紙全体の需要(減少傾向)に応じて、抄紙機の停止や種別の変更、銘柄の整理等を行いながら、効率的に生産し供給を行っています。非再生紙も含めた用紙の在庫も回復傾向にあるようです。

■再生紙の調達のしやすさ
・王子製紙(株)は、これまでグリーン購入法適合銘柄は受注生産でしたが、2020年2月から品揃え品に変更すると発表しました。
・製紙会社によっては、再生紙を受注生産とする等の対応も見られますが、2018年度末よりも、再生紙の調達の困難さは解消傾向にあるようです。再生紙の入手しにくさの地域差もほとんどないようです。

■調達側の取り組み・考え方
国内で回収された古紙の出口(リサイクル用途)の一つが再生紙です。再生紙の購入が停滞すると、古紙の回収・循環システムに影響が出、システムの維持が困難になることも考えられます。用紙全体の価格上昇もあり、資料を電子化したり用紙調達量を削減したりする等で、調達コストを抑制する取り組みも見られますが、コピー用紙や印刷用紙(印刷物の発注も含む)を調達する場合には、再生紙を調達することが大切です。とりわけ、行政機関や企業は調達量も多く、市場への波及効果も大きいことから、持続可能な社会を目指す一員としての重要な役割です。
再生紙の購入は、古紙の回収循環システムを守ることにもつながります。このことは、2015年に国連で採択されたSDGsの目標達成に向けた行動にもむすびつくと考えられます。
再生紙の調達の困難さは解消傾向にあるようですが、2018年度末に生じた再生紙の調達困難な状況が起きる以前と全く同じ状況に戻った訳ではなく、場合によっては、グリーン購入法の判断の基準を満たした用紙の調達が困難であったり、調達コストが増えたりする場合も考えられます。そのため、場合によっては、用紙の環境配慮要件を変更したり、仕様書に「在庫等の制約から入手が困難な場合は、発注担当者と協議の上、決定します。」という文章を追記したりすることも方法の一つです。
グリーン購入法の判断の基準を満たした印刷用紙の調達がどうしても困難な場合、次のような用紙を選択することが良いでしょう。コピー用紙や印刷用紙を調達する際に環境配慮要件を全く設定しないことは避けましょう。
・調達方針よりも古紙パルプ配合率がやや低い印刷用紙
・森林認証紙(FSC認証紙、PEFC認証紙等)
・間伐材紙
・竹紙

なお、環境に配慮した用紙を調べる上では「エコ商品ねっと」が参考になります。
【参考】エコ商品ねっと

※2020年3月時点で、グリーン購入ネットワークが関係者等にヒアリングをもとにまとめたもので、上記に該当しない場合もあります。

問い合わせ先:グリーン購入ネットワーク(GPN)事務局

エコ商品ねっと 会員専用ページ お問い合わせ

GPN地域ネットワーク