特別寄稿『ドーナツ経済に倫理的境界を入れる提案』 山本良一氏(東京大学名誉教授、初代GPN会長)
GPNからのお知らせ
|2025-04-11
山本良一氏(東京大学名誉教授、初代GPN会長)が4月にまとめた論文が環境新聞に掲載されましたので、ご案内します。
>> 特別寄稿『ドーナツ経済に倫理的境界を入れる提案』(環境新聞ウェブサイト)
円状に引いた惑星的境界(プラネタリー・バウンダリー)の内側に、持続可能な社会が満たすべき最低限の”社会的境界”(ソーシャル・ファウンデーション)の縁を引く。その二つの境界の間をドーナツに見たて、これを人類にとって安全で公正な活動空間と捉えて”ドーナツ経済”と呼ぶ考え方があります。
今回の論文は、そのドーナツ経済のさらに内側に倫理的境界(エシカル・バウンダリー)というものを設定して、その倫理的境界の転換点を集団で越えていくと考えるのはどうだろうか、と提案するものです。
倫理的境界の6つの候補の一つとして「足るを知る」が挙げられています。「老子」の中に出てくる「知足者富」(足るを知るものは富む)という言葉。たった4文字でありながら、特に今のような過剰消費の時代には人類の行末を左右するほど重要な意味を持つ言葉だなと感じます。
寄稿全文は、環境新聞ウェブサイトからご覧いただけますので、是非ご一読ください。
参考)これまでの特別寄稿
・エシカル消費により世界の資源消費を地球の限界内に抑制する(2025年1月)
・『気候崩壊から社会崩壊へ』の最近の研究動向(2024年12月)
・カーボン・ニュートラル製品の国際動向(2024年5月)
・“温暖化地獄”が現実のものとなる(2023年12月)
・社会的ティッピング・ポイント(社会的転換点)研究の国際動向(2023年3月)