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再生紙(印刷用紙・コピー用紙)のグリーン購入について

ガイドライン2022-12-21

2022年11月に公表された令和5年度グリーン購入法基本方針(改定案)では、印刷用紙の総合評価値の基準が緩和される内容となっており、改定案へ寄せられた意見もふまえ、令和5年2月に閣議決定される見込みです。この背景には、国内の古紙の発生量の減少や、用紙以外の用途への活用、古紙の輸出等があり、令和5年度は古紙パルプ高配合の印刷用紙やコピー用紙の調達が困難な事例が増えることが予想されます。
再生紙の原料となる古紙の現状と今後の見通し、用紙のグリーン購入への取り組み方について、関係者へのヒアリングをもとにまとめました。

詳細≫ 再生紙(印刷用紙・コピー用紙)のグリーン購入について [PDF390KB]


■再生紙(印刷用紙・コピー用紙)の生産が困難になってきている背景
1.原料となる古紙の発生量の減少
印刷用紙やコピー用紙の再生紙は、新聞古紙や模造・色上質古紙、雑誌古紙が多く使われています。デジタル化の推進による新聞の発行部数の減少から、新聞古紙の発生量の減少傾向が続いています。模造・色上質古紙も新聞古紙ほどではありませんが、発生量が減少してきています。

2.他用途との競合
新聞古紙や模造・色上質古紙は、印刷用紙やコピー用紙の再生紙だけでなく、衛生用紙の再生紙の原料としても多く利用されています。紙・板紙の主要製品別の古紙品種別消費量の推移を見ると、衛生用紙に利用される模造・色上質古紙が増えている一方で、印刷・情報用紙へ利用される模造・色上質古紙や新聞古紙の量が減少しています。最近では、板紙(段ボール原紙や紙器用板紙)での再生紙の需要も高まりから、板紙の原料として利用される量も増えてきており、古紙需要の多い用途への利用が進んでいます。

その他)海外への国内古紙の輸出
2018年頃、日本国内で発生した質の良い古紙が中国へ輸出され、国内の古紙在庫量が減少していました。その後、中国の廃棄物輸入ゼロを掲げた輸入制限の影響で中国への輸出は減少しましたが、最近では東南アジアへ輸出されています。古紙の輸出量は2011年頃をピークに減少傾向にありますが、高く販売できる質の良い古紙が海外へ輸出されています。
海外へ輸出される古紙は、再び日本国内に古紙として戻ってくることはなく、再生紙の原料となる古紙の資源循環の輪が切れてしまうため、日本の古紙を海外へ輸出するのではなく、日本国内でしっかり活用し、再生紙を供給されることが期待されます。


■再生紙(印刷用紙・コピー用紙)の生産動向
上記のような背景から、印刷用紙やコピー用紙用に高品質の古紙を確保しにくくなってきていますが、これまで通り、大手製紙会社では、グリーン購入法の判断の基準を満たす用紙の生産が維持されるようです(生産を停止する製紙会社もあるようです)。

■考えられる対応
●グリーン購入法の判断の基準を満たす用紙が全くなくなるわけではありません。新年度に向けて、現行の調達方針は維持しつつ柔軟に対応できる余地を残し、引き続き状況を見極めることが良いでしょう。
●ただし、グリーン購入法の判断の基準を満たした用紙の調達が困難な場合も考えられることから、仕様書に「グリーン購入法の判断の基準を満たした用紙の納入が困難な場合は、発注担当者と協議の上、決定します」あるいは「代替品の納入も認めます」という文章を追記することも考えられます。
●グリーン購入法の判断の基準を満たした印刷用紙の調達がどうしても困難な場合、用紙の環境配慮要件を全く設定しないのではなく、その他の環境配慮された用紙を選択することを考えましょう。

・調達方針よりも古紙パルプ配合率が低い印刷用紙
・森林認証紙(FSC認証紙、PEFC認証紙等)
・FSC管理木材もしくはPEFC管理材以上を原材料に使用した用紙
・間伐材紙
・竹紙

なお、環境に配慮した用紙を調べる上では「エコ商品ねっと」が参考になります。

参考)これまでの情報発信
2020.04.01 再生紙(コピー用紙・印刷用紙)のグリーン購入について
2019.02.06 印刷用紙(再生上質紙等)のグリーン購入について


※グリーン購入ネットワークが2022年11月までに関係者等に行ったヒアリングをもとにまとめたもので、上記に該当しない場合もあります。

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