地方公共団体のグリーン購入取り組みランキングを公表 -北海道と横浜市の2団体が満点の評価-
グリーン購入ネットワーク(GPN)(事務局:東京都千代田区、会長:梅田靖)は、全国の地方公共団体(1,788団体)を対象にしたグリーン購入取り組みランキング(2024年度調査)を公表しました。
このランキングは、環境省の「グリーン購入取組事例データベース」で公表されている地方公共団体の情報をもとにGPNが設定した基準により評価を行い、今回で10回目の公表となります。結果は北海道(3年連続4回目)、横浜市(2年ぶり8回目)の2団体が満点(100点満点)の評価、また、全国の平均点は、昨年より1.0点のマイナスの15.9点となりました。
プレスリリース>> 地方公共団体のグリーン購入取り組みランキング(2024年度調査)を公表
【評価結果リスト(詳細)】
1.全ての地方公共団体(1,788団体)のリスト
2.域内市区町村を含む都道府県別のリスト
3.ゼロカーボンシティ表明(1161団体)のリスト
4.都道府県別上位5位団体のリスト
5.SDGs未来都市(207団体)のリスト
※ゼロカーボンシティ表明は2025年3月末時点の表明団体数。
■梅田 靖GPN会長(東京大学)のコメント
グリーン購入は日常の生活やビジネスにおける「消費」を通じて、エネルギーや資源の消費を低減し、廃棄物の発生を抑えるだけでなく、個人や職員の環境意識を高める等、他の環境への取り組みへの波及を促進します。地方公共団体はその地域の大口の消費者であることから、地方公共団体が率先してグリーン購入や環境配慮契約を実践することは、環境負荷の削減と同時に、地元企業や市民への波及効果という点でも極めて重要です。地方公共団体の率先行動により、環境配慮型製品・サービスの市場が広がり、その地域とサプライチェーン全体の環境負荷削減につながります。
グリーン購入ネットワークは、地方公共団体のグリーン購入への取り組みを加速させるために、2016年にグリーン購入取り組みランキングの公表をはじめ、10回目となるランキング結果を公表いたしました。北海道や横浜市といった大口の消費者である地方公共団体が満点を記録し、網羅的且つ高次元で取り組んでいることは大変勇気づけられる結果となりました。さらに、環境省からグリーン購入調達方針策定の支援を受けた団体の多くがランキングを上昇させており、支援が成果に結び付いていることが伺えます。
一方で、ゼロカーボンシティを宣言する多くの地方公共団体の中にも、人員不足や知識・ノウハウ不足等から、グリーン購入に組織的に取り組めていないことは、憂慮すべき状況です。
環境省には、グリーン購入法における地方公共団体の義務化、地方公共団体の調達方針の策定、業務負担を増やすことなくグリーン購入に取り組む手法を浸透させ、組織的取り組みを定着させる施策の一層の強化をお願いします。
【評価概要】
テーマ:全地方公共団体のグリーン購入の取り組み度の評価
評価目的:地方公共団体のグリーン購入の取り組み状況を評価し、更なる取り組みを促すこと
評価対象:地方公共団体1,788団体
評価方法:環境省「グリーン購入取組事例データベース」、「環境配慮契約法取組事例データベース」(2024年度調査)公開情報に基づく評価
【評価項目と評価基準(100点満点)】
・方針策定状況:グリーン購入調達方針と電力の環境配慮契約方針を策定している場合は、各3点(満点6点)
・組織的実施状況:グリーン購入法特定調達品目22分野に電力を加えた23分野において実施していると回答した分野数×1点(満点23点)
・実績:グリーン購入の調達率が8割以上、電力の環境配慮契約実績が5割以上の分野数×1点(満点23点)
合計52点を100点満点に換算しました。
*内閣府は地方創生SDGsの取り組みの進捗状況を測るローカル指標として2022年9月からこの取り組みランキングを採用しました。
(参考)内閣府「地方創生SDGsローカル指標リスト」(P81)
*「地方創生SDGsローカル指標リスト」はSDGsに取り組む全国の地方自治体が、目標達成に向けた進捗状況を計測するための指標として2019年8月に内閣府が作成。
【背景】
■購入者としての地方公共団体の重要性
地方公共団体は、地域における大口の購入者であるため、地域経済の重要なポジションにあります。地域企業や住民への啓発効果も大きく、地方公共団体が率先して環境配慮型商品を購入することは、その開発と流通を促し、市場における普及拡大につながります。
■グリーン購入と地球温暖化対策
第六次環境基本計画(環境省)では、重点戦略別の環境施策の展開において、「新たな成長」を導く持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築に向けて、「グリーン購入・環境配慮契約」が重要な施策の一つとして位置づけられています。グリーン購入・環境配慮契約は地球温暖化防止等にも貢献し、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)において地方公共団体は、努力義務として調達方針の策定や組織的な取り組みの推進が求められています。
■グリーン購入とSDGs(持続可能な開発目標)
国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の12番目の目標には「持続可能な消費と生産パターンの確保」が位置付けられており、12.7のターゲットには、「国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。」があります。さらに、日本における持続可能な開発目標(SDGs)実施指針においてもグリーン購入の促進が求められています。調達を通じて社会的課題を解決するためにも、地方公共団体におけるグリーン購入の推進は非常に重要な位置付けにあります。
■地方公共団体のグリーン購入の普及促進に向けたGPNの取り組み
グリーン購入は、地球温暖化防止や地方創生、SDGs 等、地方公共団体における重要施策の推進にもつながる有効な手段です。グリーン購入ネットワーク(GPN)は、地方公共団体のグリーン購入の取り組みの拡大、深化を目的に、地域ネットワークと連携し、自治体職員向けグリーン購入研修会を5月29日に開催しました。引き続き自治体職員向け環境配慮契約(電力)研修会を7月に開催を予定しています。また、グリーン購入や環境配慮契約を取り組むにあたって実務担当者が抱える課題について、オンラインでの「個別相談会」、GPN会員団体向けの「ミニセミナー」の実施や、グリーン購入調達方針や電力の環境配慮契約の方針策定支援業務を実施しています。
【参考】
地方公共団体のグリーン購入取り組みランキング 一覧
2024年度(第9回)公表結果(2023年度調査) こちら
2023年度(第8回)公表結果(2022年度調査) こちら
2022年度(第7回)公表結果(2021年度調査) こちら
2021年度(第6回)公表結果(2020年度調査) こちら
2020年度(第5回)公表結果(2019年度調査) こちら
2019年度(第4回)公表結果(2018年度調査) こちら
2018年度(第3回)公表結果(2017年度調査) こちら
2017年度(第2回)公表結果(2016年度調査) こちら
2016年度(第1回)公表結果(2015年度調査) こちら
■お問い合せ
グリーン購入ネットワーク(GPN)事務局 担当:武井、竹内、深津
TEL.03-5829-6912 E-mail:gpn☆gpn.jp(☆を半角@に変える)